帰って来た深イイ話(^o^)/
2012年 6月 7日
こんにちは!
今日の深イイ話は・・・
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幼い頃に父が亡くなり母は再婚もせずに俺を育ててくれた。
学もなく技術もなかった母は
個人商店の手伝いみたいな仕事で生計を立てていた。
それでも当時住んでいた土地は、まだ人情が残っていたので
何とか母子二人で質素に暮らしていけた。
娯楽をする余裕なんてなく、日曜日は母の手作りの弁当を持って
近所の河原とかに遊びに行っていた。
給料をもらった次の日曜日には
クリームパンとコーラを買ってくれた。
ある日、母が勤め先からプロ野球のチケットを2枚もらってきた。
俺は生まれて初めてのプロ野球観戦に興奮し
母はいつもより少しだけ豪華な弁当を作ってくれた。
野球場に着きチケットを見せて入ろうとすると係員に止められた。
母がもらったのは招待券ではなく優待券だった。
チケット売り場で一人1000円ずつ払って
チケットを買わなければいけないと言われ
帰りの電車賃くらいしか持っていなかった俺たちは
外のベンチで弁当を食べて帰った。
電車の中で無言の母に「楽しかったよ」と言ったら
母は「母ちゃん、バカでごめんね」と言って涙を少しこぼした。
俺は母に辛い思いをさせた貧乏と無学がとことん嫌になって
一生懸命に勉強した。
新聞奨学生として大学まで進み、いっぱしの社会人になった。
結婚もして、母に孫を見せてやることもできた。
そんな母が去年の暮れに亡くなった。
死ぬ前に一度だけ目を覚まし、思い出したように
「野球、ごめんね」と言った。
俺は「楽しかったよ」と言おうとしたが
最後まで声にならなかった。
親の愛は海よりも深し(T-T)
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